Metal

いわゆるプライベートというか旅行で海外に行くゆとりを失って久しい。
立場上時間を創出することが出来るのではあるが、半年先の予定が次々舞い込んでくるので、少なくとも半年以上かけて計画しないといけないということだ。
来年は結婚15周年を迎えるので、ここだけは押さえないと安心立命の毎日に影響を及ぼすに違いない・・・。
とにかく外国人の友人を作ることが大切だと思っている。違う文化に育ち違った手法で思考する彼らとのコミュニケーションは自分を構成するフレームワークを進化させることに繋がると思う。
幸いなことに、毎年FileMaker Developer Conference に参加するために渡米し、そこで多くの外国人とコミュニケーションを図ることが出来る。FileMakerビジネスが成立する国々の人達であるから、いわゆる先進国の方々に限定されるかもしれないけれども、ある種知的で刺激的な出逢い満載なのが実に素晴らしい。

さて、そんな自分が気になって仕方が無い地域がある。
北欧というところだ。
フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランド・・・。
冬には、太陽はほとんど昇らず、あるバンドマンをして、音楽をやるか自殺するかしかないなどと言わせた自然環境を持つ美しい国々である。
In Flames, Arch Enemy, Nightwish, Amorphis, At The Gates, Stratovarius, Sentenced, Soilwork, Dark Tranquillity, Children of Bodom, TNT, Talisman, Europe, Royal Hunt などなど重要なバンドを数多くカウント出来る。それこそブラックメタルあたりに手を広げるととんでもないことになろう。

僕にとって音楽で重要なことは、メロディが美しいことだ。メロディ至上主義者といっても良い。メタルが好きなのも、個人的には全ての音楽ジャンルの中で最もメロディが美しいと感じるからといって過言ではない。
北欧のそれは、基本的に暗い。陰鬱という表現が似合うことも多い。そんな中に突然舞い降りてくるかのようなメロディとのコントラストにやられてしまうのである。同じミネラルウォーターを、冬のこたつの中で飲むよりも夏のサウナの後に飲む方が美味しく感じられることに極めて似ている。

そんな北欧サウンドを生んでいる彼らのバックグラウンドに何があるのか。陽の昇らない冬を経験すると人生観や美意識にどんな影響があるのか。彼らとの間では、ビール片手にメロイックサインを出して、”Hey Brother,”とうコミュニケーションは通用するのか。そして、そこに済むFileMakerディベロッパーがどんなスクリプトをどんな美意識のもとで書くのか・・・。肌で感じたいこと沢山である。

よって、次にプライベートで旅をするならば、
・IRON MAIDEN のファイナルライブを本国イングランドで観るツアー
・北欧メタルを肌で感じるツアー
のどちらかでありそうな気がする。

話しはそれるが、僕はキャンペーン賞典としての海外旅行がすこぶる苦手で・・・。
お誘いを頂きながらいつもお断りをしてしまい、関係各位にお詫び申し上げる次第・・・。

さて、いよいよ本題。
フィンランドの盟友、Nightwish 通算8枚目のアルバム　Endless Forms Most Beautiful　が到着した。失礼ながら、Arch Enemy などに比べれば思い入れが強いバンドとはいえない。しかもボーカルなどメンバーも変わっているし・・・。ということで期待半分、付き合い半分で聴いてみた。
11曲約80分の本作は、ストーリー性に富み、なにせメロディが美しい。その表現の仕方を「メタル」というジャンルだけで捉えるのも少しもったいないかも・・・と思えてしまう。

Endless Forms Most Beautiful by Nightwish

日本で春先に土手に「つくし」が芽吹いているのを見ると、命の美しさと強さを感じたりするものだが、冬のレベルが数段格上の北欧では、そんな命の美しさはもっと強いコントラストを持って描かれるのでしょうね。
とにかく、メロディが美しく、強く、儚いのです。

このコントラストに強烈な様式美を感じてしまうという僕の性格と、それをそのまま表現してしまおうという大胆不敵さが、当社の経営にオリジナリティと同時に振れ幅を生み出しているのは紛れも無い事実でしょうが、このライトアップをしない暗闇の中で、散りゆく夜桜を音と肌のみで感じながら、命の儚さを認識していくような作品に、しばらく夢中になりそうです。

オケ好き、メロ好き、音楽好き、感性と理性を融合させた経営を目指す輩等にオススメしたい一枚。

Stay Metal