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21 / 3月 / 2015 category.FileMaker, Management

投稿が数ヶ月に一度なんて、もはやブログと呼べるのか・・・という本質的な問いには何も触れず、また淡々と思ったことを。
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ここ数年、トレーナーとして人と接する機会が増えた。
・社長業という仕事は、理念に基づく戦略に人と組織を巻き込むことであるから、メンタリティにおいても実務デザインにおいてもトレーナーという役割を多く担っている。
・FileMakerの選任トレーナーとして、メーカー主催の開発技術者養成講座などを担当させて頂く機会がある。
・長いお付き合いをしている方が起業された、Affection という会社の研修でメイントレーナーを務める機会が出てきた。

トレーナーという職務は、私的には楽しい。
勿論、準備は行うものの、当然のことながら参加者が違えば、空気感から理解度まで全て違うわけで、その場当たり的な問題解決がいかにも私好みである。

そうやってトレーニングを開催しているとやはり気になることがある。
参加者の理解度や習熟度の差がどこから発生するのかということだ。
勿論、会社の命でといった他責の理由で参加されている方がいる。私はその方々にも何か持ち帰って頂こうと努力はするが、それ以上のことはしていないし、出来ないと思う。よって、ここは除外する。
やる気満々で自らの意志で参加しているという前提条件においても、やはり参加者個々によって差が生まれるのだ。
勿論、経験や知識・基礎学力・集中力そして切羽詰まった感など環境要因が全く違うので、同じ結果がうまれる事は無いのであるが、その個々の差に注目するのではなく、ことトレーニングの吸収方法に着目してみたい。

私も様々な研修やトレーニングに参加する。
会社の社長として行く場合も、自費で行くのも結局は同じ自己負担に違いないので、結論から言えばモチベーションが高い。
と同時に、トレーナーには大変失礼ながら、スタート10分で内職の時間に変更してしまうこともある。聞き耳を立てながら、気になった言葉だけピックアップするようなやり方だ。

経営をするようになって強く理解したことが、物事は歴史という時間軸と環境という横軸の中で、体系的に組み立てられているということだ。それが例え意図したことでなくても、結果としては体系だてられている。
つまり、個々の事象のそれだけを理解したところで、問題解決に繋がることは少なく、その事象の縦横の繋がりをも含めて理解する必要があるということだ。

具体例を挙げれば、「自由闊達な組織作り」というタイトルのセミナー(事象)には、事業戦略のフォーカスポイントや、リーダーシップ、情報システムといった要素が密接に絡み合っているので、その全体像と関係性を注視しながら事を進める必要があるということになろう。
FileMakerな人達向けの例をあげれば、「レイアウト」を考えた時に、そのコンテキストとか、動作させるデバイスとかセキュリティの設定も考慮せざるを得ないということになろう。

そんな私が種々のセミナーを受講する際に、まず注目するのが、そういった全体像の中の一事象という扱いがあるかどうか、つまり体系的に物事が扱われているかどうかということである。
そうして残念ながら、体系的では無かった場合、自分の時間というコストを他に向けるのである。専門的な一事象のみならば、その手の人にアウトソースした方が遙かにローコストであるから。

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この体験に基づく実感から、私はどんなセミナーを担当しても、まず限られた時間の中で「体系的なデザイン」を心がける。
体系的なデザインとは、技術講習であっても自己啓発セミナーであっても、そこに「物語性」を持たせることに全力を尽くすということだ。その物語に参加者のレベルという要素が加味されるので、それぞれの方にとって、共感出来る物語になるように使う言葉を決めるのは、難しくも楽しい場当たり的な作業である。

さて、本題に戻る。
トレーニングを受ける方に必要なスタンスは、自ら意図したものであるかどうかは別の次元として、そのトレーニングの全体像を把握しながら目の前の事象にフォーカスするということに尽きると思う。トレーナーの準備によっては、それが極めて難しい場合もある。その場合は反面教師として受け取るのもまた1つの学びであると思う。
全ての事が相互関係としての横軸での繋がりと、因果関係という時間を含む縦軸の繋がりで構成されている以上、そこを正しく見いだすことが極めて重要なアプローチであると思うのだ。
こと、私の担当するセミナーにおいても、全体像の把握に脳細胞を使っているなあという方ほど習熟度が高く、個々の事象にのみフォーカスする方ほど習熟度が低くなるといのは強く感じる現実である。

個々の事象に物語性を持たせるということは、それぞれの関係性をデザインするということであり、復習のしやすさを既に意図した学習方法でもある。そして、脳細胞をより多く使うのであるから、当然の帰結といってしまえばそれまでなのだが・・・。

STAY METAL!

 

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