Balance My Soul with Maiden

28 / 12月 / 2014 category.Genius, Management

2014年も終わりを迎えようとしている。今年一年を振り返り、メンタリティに変化が生まれたポイントを探してみた。

「アンバランスのバランス」という敬愛する作家塩野七生氏の言葉を好んで使ってきたが、この言葉が意味することへの解釈に変化が生まれたのが、2014年といっても良いと思う。それほどに大きな気付きであったような気がする。
何がきっかけになったのかといえば、明確なポイントがあったとはいえず、考え続けてきた結果、変化に至ったというべきであろう。

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私にとって、「アンバランスのバランス」とは、いわゆる対極にあるものをバランスさせる技術を表すものであった。
対極とは、
・デジタルとアナログ
・感性と理性
・システムと感化
システムを組みながら、メタル全開とか、経営品質のフレームワークを論理的に理解しながら人間感情を大切にするといった私のアティチュードはこれらの要素が「バランスされた状態」を意図したところに起因していると思う。

一般的にはCSとESとか、利益とコストといった事象を相反する要素としてとらえ、それを「バランスよく」こなしていくという考え方が存在している。いわゆる「世渡り上手」というものだ。
私はCSやESは、そもそも本質的に両者は明確に繋がっているのだから、表面的にバランスよくこなすよりも、どちらかに本質的にアプローチする方が良いと理解してきた。またそれに基づいて様々な変革を起こしてきた。
つまり、CSとESといった事象的要素に関しては、本質的に同じだと理解に基づいた実践をしてきた。しかし、感性と理性といった事象に表しづらいものに対しては、本質的には同じだという理解はあるものの、実践に対しては異なったアプローチをしてきた。このアプローチの方法に対して、漠然たる疑問を持っていたのだ。

デジタルとアナログを例にとってみるものの、これを判りやすく表現するのは難しく、よってかなり乱暴にまとめてみる。
・デジタルは0と1の組み合わせからなる。
・アナログは嫌い(0)と好き(1)の組み合わせからなる。
・やや好きとか、とても嫌いとかといったステータスは、単純な0or1ではなく、条件分岐して2の累乗にケースが増えていくことと類似する。

どこまで好き嫌いの度合いは、細かく分類することは可能だ。そのために言語には様々な形容詞や副詞が用意されている。しかし、一般の人でそれら全ての言葉を使い分けられる人はいない。つまり、認識出来る好き嫌いの度合いにはある程度の限界がある。
デジタルの世界の条件分岐も、現場現実に合わせて事細かくするよりも、度数頻度に応じて集約化することが効率化や理解のしやすさに繋がる。全ての条件分岐を表現すると、逆にその細かな条件分岐の結果に行き着けないというような事態すら発生する。

感性と理性。
ヘヴィメタルは実に論理的に計算された音楽である。メロディの美しさとトーンの暴虐さのコントラストなど絶妙だ。
素晴らしい英知によって書かれた数式は、美しくすらある。関数やスクリプトそのものが芸術的価値すらあると思える位に美しい。

話しを本題に戻す。
「アンバランスのバランス」とは、本来バランスしえない対極の要素を、その両極を極めようとする真逆のアプローチを圧倒的スピードと頻度によって行き来することによって、動きは激しいが破綻しないシーソーゲームをすることと理解してきたが、そうではなさそうだ。シーソーゆえに、二次元的に展開されるようなイメージを持っていたが、相反しないのであるから成立しない。
しかし、実体は違うのであるから、どのように理解したら良いのだろうか。本来同一の本質を持つものであるのだから、「球体」と理解をすることにした。
ただ、その球体は人間が描くものであるから明確な形を持つ固体ではなく、流動的なものなのだろう。本質にアプローチしようとしなければ水たまりのようであり、成長の過程ではいびつな球体だったりするのであろう。
球体が安定するのは、スピードを伴った回転をしている時だ。その回転を創る原動力が、いわゆる両極に振り切った行動とそれを支える思考なのであろう。
シーソーの端を往復するということではなく、ハムスターが遊ぶ球体のように、同一箇所で動きながら、理性に基づき動いたり感性に基づき動くということを繰り返し行っていくのだ。

シーソーの両極を動くということは、「違い」を明確に意識し切り替えるということだ。
しかし、球体の中で、転がす方向を変えるということは、自らのポジションは変化しない。
両極にあると思っていた両者が極めて同一の本質を持っていると気が付いた今、常にロジカルに安定して駆け抜けながら、「出逢い」「チャンス」「縁」といったことで敏感に若干の方向の変化を与えられるようになること。
こんなことが2015年の課題になるのだろう。

しかし、2015年の一番の課題は、ここ数年果たせていない、IRON MAIDEN のライブ参戦であることだけは間違い無い。

STAY METAL!

 

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