As a Trainer…

13 / 10月 / 2014 category.FileMaker, Heavy Metal, Management

完璧なアルバムをあげよという命題が下るとするならば、どんな作品をピックアップできるであろうか?
メタルを信条として生きる以上、避けては通れない人生における課題ともいえよう。
そう、深く考え始めると眠れなくなる。

BURRN!誌の奥野氏が、IRON MAIDEN におけるベストアルバムは、Dance of Death であるという実に興味深い私見を表明され、最近このアルバムの占有する私の領域が飛躍的に拡大している私にとっては、拳を突き上げるような興奮があったことは皆に積極的に伝えたい事実である。

もう、既に話しがそれた。
完璧なアルバムについてである。

完璧をいかにして定義をするかということが極めて重要なことでもあるのだが、私にとっての完璧なアルバムとは、完璧さ順に以下の3枚と言えると思う。

1, Scenes From A Memory /DREAM THEATER
memory

2, Operation: Mindcrime /Queensryche
operation

3, Streets: A Rock Opera /Savatage
streets

この3枚には、明確な共通点がある。
コンセプトアルバムであるということだ。楽曲自体は、それぞれ独立した存在でありながら、アルバム全体で1つの物語を構築しており、まるで映画を見ているかのうように、アルバムを通して物語りが進行していくのだ。

私のマストアイテムとも呼べる他のメタルアルバムには、数多くの名曲が散りばめられている。そして、他にも個人的名作といえるアルバムは多数存在する。しかし、アルバム全体を通しての完成度としては、この3作が私の中で抜きんでているのだ。
勿論、この3作は一般的にも評価は高い。しかし、この3作がベスト3に来る人は極めて少ない。

無論、これらがベストであるのは理由がある。私は、このコンセプトアルバムという作風に弱いからだ。音楽を通して物語りを魅せられるとイチコロとなってしまうのである。
しかし、世の中にはコンセプトアルバムなるものは数多く存在するものの、駄作も多いというのが実情である。
この3作にはあって駄作には無いものとして以下のような要素をピックアップすることが出来る。

1,ストーリーの心奪われ感(いかに感情移入できるか)
2,楽曲個々の充実度(全ての曲がシングルカット出来るかのような)
3,楽器隊の炸裂感(実は強烈にテクニカルであるということ)
4,プロダクション&リリースタイミング

それぞれの作品に関して、上記要素を加味した解説を加えることは個人的には至極の時間となりうるのであるが、読み手の事情を鑑みてここでは割愛することとする。

私を良く知る人から言わせると、「やっぱりね!」ということになろうが、実は私のこの趣味嗜好が自分自身のキャリアデザインや経営デザインに当たってとてつもなく大きな影響を与えていると思うのだ。
そして、逆説的に見れば、この要素ならびにメンタリティを持つがゆえに、いわゆる「ガツガツ儲ける」ことがあまり得意ではないという私の実像にも肉迫出来ると思うのだ。

9月は実に忙しく、このエントリーをアップしないのがまるで当然のような時間を過ごさせて頂いた。その多くをセミナー講師として過ごさせて頂いたからだ。
・FileMaker のオフィシャルトレーニングの講師
・福井県経営品質協議会会員企業でFileMaker をご利用の会社向けトレーニング講師
・経営品質に関する講演
と、充実した時間を過ごさせて頂いた。
実は、これらの講師を務めると、体力的にヘトヘトになってしまう。勿論、夜にある種の鎖から開放されたが故に呑んでしまうというのも要因なのであるが、「講演」「セミナー」を資料に伴う説明作業としては認識しておらず、資料に伴う、ストーリーメイキング活動と認識するがゆえに体力を消費するからである。

9月で一番時間を使った、FileMaker のオフィシャルトレーニングを例に話そう。
私にとって、セミナー講師として重要視していることが、コンセプトアルバムを傑作化する要素に見事に重なるのである。
一般的に、セミナーにおいては、受講者の理解度・満足度が重視される場合が多い。その評価基準に異論を唱えるつもりなど毛頭無い。だが、それを実現するには、受講者の技術レベルの問題を避けて通ることは出来ない。
すなわち、技術レベルの近い人が集まれば一般的な満足度が高くなり、レベルにバラツキが発生すれば低くなる。
普段、経営者として様々な意識レベルの方を同時に相手にしなくてはならない私には、いつの間にかここへの順応力が出来たのかもしれないのだが、レベルを合わせれば良いよねという問題としたくはないのだ。
なぜならば、バラツキこそ組織が活性化する鍵であると思うからだ。
仮に受講者の技術レベルが近い集団であれば、私は立場や業種などで意図的にバラツキを発生させることを好む。

話しを戻す。
セミナー講師として私が重視する要素は、下記の通り
1,セミナーの内容がストーリー性に富んでいるか。
 → 受講者が主人公としてセミナーに入り込んでいけるかどうか。
2,各セクションの充実度
 → マテリアル(資料)の良さも含めてだが、ストーリーの断片をとっても、例えば20分程度のセミナーとして成立するかどうか。
3,テクニックの炸裂感
 → 見せびらかすということではなく、コンテンツに関わる技術、人を惹き付ける技術、時間構成の技術などにキレがあるかどうか。
4,プロダクション
 → 主催者との一体感

当然のことながら、セミナー終了後には、上記の観点でその内容を見直す。
こと、FileMakerセミナーにしても、経営者向けのセミナーにしても、グループワークのファシリテーションにしても、それにストーリー性を持たせることは少なからず出来てきているのだと思う。
しかしながら、その個々のパーツとそれを支える技術にキレキレ感がまだまだ足りないので、結果として受講生の方々の感情移入度合いがまだまだ少ないというのが、現時点での反省である。

そんなキレキレ感をもっと身につけるために、ジャラジャラではなくキレキレのブーツで今後は登壇しようかと思うのである。
_zyara

kire

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