Paradox

25 / 11月 / 2014 category.FileMaker, Heavy Metal, Management

明日からFileMakerカンファレンス2014が始まり、私も3つのセッションを担当させて頂く。
勿論、準備は行うがいわゆるリハーサルはあまり行わないのが私の主義で、その場の空気感というかその場で発生していることを大切にしようというスタンスという大義名分で準備時間の無さを言い訳している。勿論、テクニカルなコンテンツについてはそれなりの準備を行うが、その時間配分や発言する言葉に関してはシナリオを準備しないということだ。
だから、開催毎に果たして規定時間で終わるのだろうかというドキドキと奮闘することになる。それが楽しい。

今回は、私も参加したいと思うセッションの裏番組となってしまい、誠に残念。ご参加頂く方と共に楽しみながらベストを尽くす所存。

私は一流には心からなりたいと思う。
しかし、一流という評価はあまり受けたくない。
私は超一流にはなれるとすら思わない。
しかし、超一流という評価なら欲しい。

こんな矛盾とも思えることをマトリクスで整理をすると下記のようになろう。

Screen Shot 2014-11-25 at 08.26.02

開発技術に関するスピーカーとしては、私は尊敬する諸先輩方とは明らかに立ち位置が違う。勿論、FileMakerを使ってそれなりに複雑な案件を創り上げる自信は持っている。しかし、私は開発者ではなく、マネジメントリーダーであり、イノベーターであるという側面の方が遙かに強いし、そここそが私の生きる道である。
そして、イノベーションを起こす上で必要不可欠な「情報公開(共有)に基づくエンパワーメント」を行うに当たって、FileMakerほど良いツールを知らないというだけのことだ。

だからこそ、私の伝えたい内容は、技術的側面の価値も多少はあるとは思うが、技術を通した「視点」「優先順位」「組織」「戦略」「人間感情対応」といったところに正しい光を当てようというと試みがメインとなる。

いつもの通り話しがそれた。

矛盾についてだった。
実は先ほどの省察は全く矛盾していないと思っている。
私にとっての判りやすい例とは、メタルバンドのことになるが、それは了承願いたい。

一流を目指すことは間違いなく大切である。
かつて「ナンバーワンにならなくても良い。もっと特別なオンリーワン。」といった不思議な詩が存在したが、ナンバーワンを目指したことの無い者がオンリーワンになれる訳がないという自明の理を挑戦的に否定したなかなか面白いキャンペーンだと思ったことを思い出す。
しかし、一流というレッテルを貼られるということは出来ればしたくない。
超一流だと喜ばしいのだけれども、超一流と呼ばれる人はそもそも超一流を目指したわけではなく、結果としてそうなったのだと。。。

IRON MAIDEN というバンドがある。超一流だ。30年以上もの間、僕の心の中心的存在である。
メタルバンドは世界に数多くある。数万人規模のハコを埋めるライブをして、新曲中心のセットリストを組んでも問題なく盛り上がるのは、このメイデンくらいであろう。
千人規模のハコであれば、コアなファンを集めることが可能だから、新曲オンリーでも大丈夫なバンドはいくつも存在するが、スタジアム規模での話しである。
JUDAS PRIEST とか、DEF LEPARD など同時代のバンド達も僕の青春そのものであった。
しかし、彼らの現在のライブは80年代〜90年代のグレイテストヒッツライブだ。それまた楽しいのであるが、そこに大きな違いが存在する。
超一流と一流評価という。。。

メイデンは、常に新しいファン層を獲得することに成功している。キッズにとってみれば、旧作よりも新作の方に思い入れが強い。だから新作中心でも盛り上がるのだ。
他のベテランバンドは、私よりも上の年代のファン層で止まってしまっている。我々おっさんは、メタルオタク系の例外を除けば新作を購入すらしていない人が多いであろう。

この違いを「一流」であるというレッテルゆえに革新的な取組が出来なかったか、もしくは一流であるがゆえにチャレンジを止めなかったかという点で評価してみると面白い。

個人的にはこう考える。
一流を目指すことは素晴らしい。
しかし、一流という評価に甘んじた瞬間に一流ではない。
一流を目指し続けることが超一流につながり、超一流となれば唯一無二の存在となれる。

私にとって、技術が一流という評価をもし頂けるとするならばとても嬉しいことであるが、そこを目指している訳では無い。私より技術の高い方を数多く知っているし、彼らから学び続ければ良いだけのことだ。
私のFileMakerとの付き合い方は、マネジメントと開発の融合という領域に軸足を置いている。この領域で、数多くのイノベーションを誘発させてみたいのだ。そこには、IRON MAIDEN的戦略眼が今以上に必要になるし、その総合技術をとことん磨いてみたい。
しかし、開発者としてもイノベーターとしてもまだまだ駆け出し。
これから多くの出来ればしたくない苦労を重ねて、この領域でのオリジナルとなってみたいものである。

一流という評価に甘んじるというが、一瞬の心のスキから生まれるのだろうと思う。
そもそもスキだらけの人がその領域にまで来るとは思えないし・・・。

マンネリとは心のガンだとは良く言ったモノだ。ちょっとした安心感から来るマンネリがそういったスキを生んでしまうのであろう。人生とは面白いものだ。

という訳で、明日のセッションに使うメタルミュージックをこれから選定しフェードアウトなどの加工を施してKeyNote に組み込むという、至福の時間を過ごすこととする。

STAY METAL

 

  • 記事一覧